ひょうごスマートシティ・チャレンジ

PROJECT募集テーマ

BLEタグによる認知症高齢者見守りネットワークを構築したい!

募集期間
1次募集
2023/09/01〜2023/09/10
2次募集
課題地域
  • 三田市
担当部署
いきいき高齢者支援課
採択企業
総合警備保障株式会社

POINT

解決したい課題

本市では、認知症高齢者の行方不明時の捜索用にGPS端末を貸与しているが、10日前後で充電が必要であり、同居又は近居家族が無い場合は利用が難しい。

想定する実証実験

BLEタグ、検知用スマホアプリ、設置型検知器を使った認知症見守りネットワークを構築し、見守りの有用性を検証する。

実現したい未来

・検知用スマホアプリや設置型検知器による見守りネットワークにより認知症高齢者の安全、家族の安心を確保する。
・アプリの利用や検知器の設置に協力を広く呼びかけ、市民、事業者が認知症に対して理解を深め自分事としてとらえてほしい。

得られるもの

認知症高齢者についての課題は、全国の地域で共通の課題であり、他の地域へ事業展開の見込みがある。また、横展開のメリットが大きいため、近隣自治体への横展開が見込まれる。

STORY

認知症の現状

認知症は誰にでも起こりうる脳の病気で、2025年には高齢者の5人に1人に起こるといわれており、今後高齢化が進むにつれさらにその人数は増えると予測されています。

認知症によって日にちや時間、場所の判断ができなくなることで、帰宅が困難になったり、行方不明になってしまうケースが増えています。三田市でも認知症高齢者が保護されるケースが毎年数十件発生しています。

三田市の取組状況

三田市では、自分や家族の認知症に関することで、不安になった時、認知症の人とどう接するか困った時の対応方法について知っていただくための手引き「さんだ認知症あんしんガイドブック」を作成したほか、「何かおかしいな」と気づいた時に気軽に相談できる「相談窓口=地域包括支援センター」も紹介しています。

また、地域全体で見守り、支え合うために認知症サポーターの養成に力を入れるとともに、高齢者等SOSネットワークの構築や、行方不明者の早期発見と安全確保のため、GPS端末貸与事業を実施しています。

新たなサービスの必要性

GPS端末は行方不明者の捜索に非常に有効である一方で、2週間に1回程度の充電が必要であるため、これを適切に行える家族や支援者が無い場合は有効に利用できないといった課題があります。

そこで、従来のGPS端末による見守りに加えて、より充電頻度の少ない端末でも行方不明者の捜索が行える手段を検討し、家族や支援者のいない高齢者であっても迅速に発見・保護できるようにしたいと考えています。

具体的には以下のようなサービスを検討しています。

・位置情報をブルートゥースで発信するBLEタグ等の消費電力の少ない見守りデバイスの導入
・主要な街なか施設等への設置型検知器の導入
・専用の検知用スマホアプリ等の導入

また、実証実験期間においては、まずは特定の地域にて試行的に実証を行いたいと考えています。

想い

高齢化が進む日本社会において、認知症の人への様々な対応が必要になってきています。

行方不明者の捜索はその一つでしかありませんが、絶対に必要な対応だと思っています。悲しい思いをする高齢者の方やそのご家族を一人でも減らすために、そして何よりも、認知症になっても自分の意志で自由に外出ができる社会であるために、大切な取り組みだと思っています。

誰もが認知症になることを不安に思うことなく、安心して暮らし続けることができる地域社会づくりのために、一緒に取り組んでもらえる企業からのご提案をお待ちしています!

OUTLINE

背景2025年には団塊の世代が75歳以上となり、2040年には高齢者人口がピークを迎える見込みです。本市においては、大規模なニュータウン開発に伴い平成初期に働き盛り世代の転入者が急増しましたが、それから30年余りが経過し、2025年には高齢化率は国及び県を超えて、その後も上昇を続けます。
今後、高齢者の急増に伴い、要介護認定を受ける方や認知症の方も増加することが見込まれるため、これまでから介護予防、認知症予防や家族介護者の支援など様々な対策・事業に取組んでいます。
また、令和5年1月には「三田市認知症の人と共に生き支え合うまちづくり条例」を施行し、市民、事業者、地域組織、認知症の人とその家族、行政が連携し、まちぐるみで支え合うまちを目指しています。
課題(詳細)・一人で外出した認知症高齢者が帰り道がわからなくなり、家族が探したり、警察に保護されたりするケースが毎年数十件発生している。
・現在、GPS端末を無償貸与し、行方不明になった際、家族がスマートフォンアプリで本人の居場所を特定するサービスを実施(現在、約60台貸与中。)しているが、10日に1回程度の充電が必要であるため、これを適切に行える同居又は近居家族や支援者が無い場合は有効に利用できない。
求める解決策現行のGPS端末による見守りシステムに加え、位置情報を発信するBLEタグを活用した以下のようなサービスを検討しています。
〇現行のGPS端末よりも利用者にとって使い勝手のいい位置情報発信装置の導入
・BLE等の消費電力の少ない見守りデバイスの導入
〇位置情報を確実にキャッチするための仕組みの導入
・主要な街なか施設等への設置型検知器の導入
・検知用スマホアプリ等の導入
想定する実証実験内容(詳細)現在、GPS端末を利用している人の中から希望者を募り、BLEタグを貸与して実証実験に協力してもらいます。
設置型検知器は、特定の地域等や、主要なまちなか施設等に限定的に導入し、スモールスタートで見守りの有効性を実証したい。
また、検知用スマホアプリは認知症サポーター養成講座受講者や自治会、事業者の皆さんにインストールの協力を依頼する。
実証実験成功後の発展性現行のGPS端末に比べて今回実証実験するBLEタグの有用性が確認できれば、市内の認知症高齢者に対する公的サービスとして導入し、利用を広げていきたい。
その場合は、市内の複数カ所に設置型検知器を増設するとともに、アプリのインストール協力者を増やし、認知症に対する意識・理解を深め、まちぐるみの見守りネットワークを拡げていく。
また、特に阪神間の自治体とは情報交換をする機会も多いので、当市での導入が効果的であれば、近隣自治体での導入につながることも考えられる。
提案企業に求める専門性・高齢者だけでなくこどもの見守りなどにも広げていくための工夫、アイデアなど
・検知器の効果的な配置
・検知用スマホアプリのインストールや運用が簡単であること
・タグ利用者、アプリ協力者の個人情報・プライバシーが守られること
・近隣自治体が提供する類似サービスとの互換性
プロジェクトの進め方打合せ方法原則オンラインによる打ち合わせ(2週間に1回程度)
必要に応じて対面での打ち合わせ
提供可能なデータ・環境等・過去の認知症高齢者保護履歴
※個人が特定されないように事例の概要のみ提供
プログラム終了後の本格導入コストパフォーマンスに優れ、効果が検証された場合、三田市内各地へ展開したい

三田市 紹介

三田市は、兵庫県の南東部にあり、周辺部には山地が多く、北部から東部にかけて標高500~700mの諸峰が連立し、南東部には耕作地のある三田盆地が開けています。市の西部から南東部にかけて武庫川が貫流し、北部には昔ながらの里山の暮らしもあり日本の原風景が広がっています。また、市の南部には、成熟期を迎えるニュータウンの美しい都市空間、市街地に垣間見る情緒ある街並みは、かつての城下町を感じることができます。
三田盆地には古くから豊かな水田が開かれたほか、木材や焼物の産地としても著名であり、奈良時代には現在の屋敷町周辺に、のちの金心寺につながる寺院が建立され、門前にはまちも形成されたと伝えられています。
明治以降は郡役所の設置や鉄道の開通などにより、当時の有馬郡の中心地としてより一層の発展をとげ、1958に市政施行しています。
市制施行時の人口は約3万2千人でしたが、1981年から始まったニュータウンへの入居を皮切りに急激に増加し、1987年から1996年まで10年連続で人口増加率日本一になるほどの状況でした。2000年には人口は11万人に達し、2023年3月末時点で約10万8千人となっています。