ひょうごスマートシティ・チャレンジ

PROJECT募集テーマ

データから農業のポテンシャルを発掘!
スマート農業都市『”トカイナカ”KAKOGAWA』を実現したい!

募集期間
1次募集
2023/09/01〜2023/09/10
2次募集
2023/09/15〜2023/09/30
課題地域
  • 加古川市
担当部署
農林水産課
採択企業
ソフトバンク株式会社

POINT

解決したい課題

農業者が長年培ってきた「ノウハウ」や、まちの土壌や気候、水質などの特性がデータ化されておらず、潜在する農業の可能性が検証できていない。

想定する実証実験

農業者と連携を図りながら、データ化した「ノウハウ」と土壌等の特性をマッチングさせ、まちに潜在する農業のポテンシャルを分析する。

実現したい未来

農業のポテンシャルをデータ化することで、まちの魅力である、心地よい都会と田舎(トカイナカ)に磨きをかけ、効率的な農業経営や収益増の道筋を明確化するとともに、新規就農者の参入意欲を高め、農業自体の活性化、ひいては、新たな特産品創出に繋がる、農業の好循環を生み出す。

得られるもの

実例が少ない取り組みであるため、日本でも有数の実績づくりにつながる。
また、全国的に共通する課題であることから、他の自治体でも活用が可能。

STORY

スマートシティ先進都市「加古川市」

みなさんは「加古川市」という名前の自治体を耳にしたことはありますか?

おそらく多くの方にとってあまり聞き慣れない自治体だと思いますが、今、日本の中でも有数のスマートシティ先進都市として注目されています。

加古川市では、2016年から「見守りカメラ事業」、「見守りサービス事業」をスタートさせ、2017年からはスマートシティ(ICTを活用して地域課題を効率的に解決するまち)の実現につなげるため、「データ利活用型スマートシティ推進事業」に取り組み、2021年3月には「加古川市スマートシティ構想」を策定し、加古川市版「Decidim」などのオンラインツールも活用して、市民中心の課題解決型スマートシティを推進してきました。

見守りカメラは、2017年度・2018年度に1,475か所に設置しており、2019年と2021年との比較で刑法犯認知件数が半減。

また、見守りカメラには「ビーコンタグ(BLEタグ)検知器」が内蔵されており、子どもや認知症のため行方不明となる恐れのある方の位置情報履歴を保護者やご家族にお知らせする「見守りサービス」も行っています。

また、日本初の取り組みとして、オンライン上で市民と行政が対話して社会課題の解決につなげるツール「Decidim(デシディム)」を導入。令和5年3月31日現在、登録した1,732 ユーザーのうち約 4 割が 10 代、20代という極めて特徴的な使われ方になり、これまで910件のコメントが寄せられ、スマートシティ構想の策定案、かわまちづくり、新施設への名称決定、駅周辺のまちづくりへの反映を行いました。

その結果、令和4年度には「情報通信月間」総務大臣表彰を受賞し、さらなる安全・安心のまちを目指し、AIを搭載した高度化見守りカメラの設置を進めています。

このような取組は、海外からも注目され、ブラジルやカンボジアからも視察に来られるような取り組みとなっています。

新たなスマート化へのチャレンジ分野「農業」

スマートシティ事業の推進が盛んな加古川市において、今後スマート化の導入に注力していきたい分野として「農業」があります。

もちろん、スマート農業の取り組みも一部では行われていますが、たとえば、土壌改善や施肥、作物の育成などに関しては、まだまだ農業者が長年の経験で培ってきた「ノウハウ」に頼っているのが現状です。また、まちの土壌や気候、水質などの特性についても、本格的な分析には至っていません。

こうした「ノウハウ」とまちの特性をデータ化しマッチングさせることで、まちに潜在する農業のポテンシャルを分析し、さらなる農業の発展が目指せるのではないかと考えています。

キラリと輝く加古川ブランドの農作物

加古川市には、そのポテンシャルの高さを象徴するような、ブランド化された農作物が存在します。
それが「加古川パスタ」です。

日本初のパスタ用品種として開発・登録されたデュラム小麦「セトデュール」は、試験栽培として約8年間の試作研究を重ね、誕生した、日本初の純国産パスタです。2016年から本格栽培を始め、生パスタのようなモチモチとした食感と麦の香り高さが特徴の「加古川パスタ」の商品化が実現しました。種子生産・栽培・製麺の工程をすべて市内で行っています。

もともとスパゲティなどのパスタに使用されるデュラム小麦といえば、気候に左右されるため、北アメリカ、北アフリカ、地中海沿岸が産地のものが多く、梅雨のある日本での栽培は不可能と言われていました。

デュラム小麦の試験栽培開始後、赤カビ病で麦が全滅することや、麦ができても麺にするとたんぱく(含有量)が少なく崩れてしまうことなどが非常に高い壁としてありました。しかし、どうしても作りたいという製造業者の思いから、梅雨に比較的雨量の少ない加古川市の気候に着目し、生産地として選定。さまざまな試行錯誤を重ねた結果、加古川市が国産デュラム小麦の発祥の地となり、日本最大の産地ともなったのです。

加古川市が秘める「農業」の可能性

上記はあくまで一例ですが、実は加古川市の気候がデュラム小麦の生産に適していたように、加古川市にはまだ見ぬ「農業」の可能性が、たくさん秘められているのではないかと考えています。

今回は、実証期間が限られているため、市内全域とはいきませんが、特定の地域で農業者と連携を図りながら、

・どのような作物が、土壌や天候などに適しているのか
・どのような肥料を、どういったタイミングで利用すればいいのか

などの「ノウハウ」を検証・データ化するとともに、土壌等の特性を分析しマッチングさせることで、加古川市に潜在する農業のポテンシャルの一端を顕在化できればと考えています。

将来的には、加古川市の気候や土壌等が持つ強みと、新たなテクノロジーの力をかけ合わせ、効率的な農業経営や収益増の道筋を明確化するとともに、新規就農者の参入意欲を高め、農業自体の活性化、ひいては、新たな特産品創出に繋がる、農業の好循環を生み出したいと考えています。

スマート農業都市『“トカイナカ”KAKOGAWA』の未来を、一緒に創り上げませんか?

本課題の取り組みは、まだまだ全国的にも道筋が見えづらい領域だと思います。しかし、日本のスマートシティを切り拓いてきた加古川市だからこそ、「農業」という分野においても、私達は挑戦していきます!

「データ×農業なら、心地よい都会と田舎(トカイナカ)の魅力を併せ持つ加古川!」の実現に向け、是非みなさまの応募をお待ちしています!

OUTLINE

背景日本の中でも有数のスマートシティ先進都市である本市において、今後注力していきたい分野として「農業」が挙げられる。

農業経営の実態としては、土壌改善や施肥、作物の育成などに関して、まだまだ農業者が長年の経験で培ってきた「ノウハウ」に頼っている部分が大きい。
また、まちの土壌や気候、水質などの特性についても、本格的な分析には至っておらず、「データ×農業」の基礎情報が整備されていない。
課題(詳細)農業者が長年培ってきた「ノウハウ」や、まちの土壌や気候、水質などの特性をデータ化・分析し、加古川市の農業のポテンシャルを引き出したい。
可視化されたデータをもとに、「加古川パスタ」のような加古川市の気候や特性を活かした商品開発を行えるような環境を整備したい。

そうすることで、効率的な農業経営や収益増の道筋を明確化するとともに、新規就農者の参入意欲を高め、農業自体の活性化、ひいては、新たな特産品創出に繋がる、農業の好循環を生み出したい。
求める解決策農業者の「ノウハウ」や地域特性等(まちの土壌や気候、水質など)のデータ化、分析できるようなツール
想定する実証実験内容(詳細)特定の地域で農業者と連携を図りながら、
・どのような作物が、土壌や天候などに適しているのか
・どのような肥料を、どういったタイミングで利用すればいいのか
などの「ノウハウ」や土壌等の特性をデータ化することで、加古川市に潜在する農業のポテンシャルや「データ×農業」の可能性について検証したい。
実証実験成功後の発展性市内の農業者や、他地域への展開等の可能性がある。
提案企業に求める専門性・地域特性等のデータ分析に関する知見
・「データ×農業」に関する知見
プロジェクトの進め方打合せ方法オンライン会議対応可能
提供可能なデータ・環境等・実証実験に協力的な農業者との調整やヒアリング
・加古川市の統計データなど
プログラム終了後の本格導入有用性が高ければ、本格導入を検討する

加古川市 紹介

加古川市は、兵庫県の南部、東播磨地域の中心に位置しています。播磨灘に面し、人口約25万人、面積が138.48k㎡の都市です。昭和25年に5町村が合併して誕生し、その後周辺地域と合併して、昭和54年に現在の市域になりました。
市の中心を一級河川「加古川」が流れ、その恵みと、おだやかな気候が特徴で、市の北部は豊かな自然に恵まれ、中部・南部は商業・サービス業が集積し、生活利便性が高く、大阪、神戸に通勤できるベッドタウンとしての側面も有しています。
また、国宝を多数所蔵する鶴林寺をはじめとする神社仏閣や見事な眺望と自然が満喫できる高御位山など、緑豊かで文化遺産の多いまちです。

加古川市では、「ひと・まち・自然を大切にし ともにささえ はぐくむまちづくり」を基本理念に、本市で生活するすべての「ひと」、活気ある「まち」、豊かな「自然」を大切にしたまちづくりを進めています。
農林水産課では、市内大型農業公園である見土呂フルーツパークの再整備を進めるなど「身近な自然を活かした魅力づくり」を目指した事業を展開するとともに、農業分野においても、次世代を担う農業者の経済的支援や後継者の育成を目的とした取組を行っています。