自治体広報をDX!高齢者にも若者世代にも見やすく伝わる広報を実現したい!
- 募集期間
- 1次募集
- 2023/09/01〜2023/09/10
- 2次募集
- 2023/09/15〜2023/09/30
- 課題地域
- 加西市
- 担当部署
- デジタル戦略課
- 採択企業
- スパイラル株式会社
POINT
解決したい課題
市の広報誌等が紙(アナログ)を前提に作られており、デジタル端末だと可読性が落ちてしまうなど市民サービスの低下が懸念される
想定する実証実験
新たな広報ツール等を導入することで、デジタルでも見やすく伝わる広報が実現できるかを検証する
実現したい未来
誰もが見やすく、伝わるコンテンツ作りや配信により、市民の方が必要なタイミングに、必要な情報が伝わる広報
得られるもの
広報のデジタル化は今後より多くの自治体が直面する課題であり、その先行事例を作ることができる
STORY
デジタルで市民生活をより良いものへ
加西市では、令和4年2月に加西市DX推進計画を策定し、市としてのDXを「デジタル技術を活用し市民の生活をよりよいものに変えていく」と捉え、DXに取り組んできました。
たとえば、住民と地域のお店、行政をつなぐQRコード決済アプリ「ねっぴ~Pay」などもそのうちの取り組みのひとつです。
そんな中、加西市のDXの取り組みの中でも、現在一番注力しているのが「自治会連絡のデジタル化」です。
自治会連絡のデジタル化が進む加西市
自治会の連絡方法といえば、みなさんはどのようなイメージをお持ちでしょうか?おそらくアナログの代表例のように紙による回覧板などをイメージされる方が多いのではないでしょうか?
一方で、特に自治会長や、役員の方にとっては、アナログではどうしても事務負担が重くなってしまいます。実際、加西市では定期的に行っているタウンミーティングで、以下のような意見が市民の方から上がってきました。
・負担軽減のため、行政及び関連団体からの依頼業務の見直しをお願いしたい。
・市広報やチラシなどは、配布負担の軽減のため、見直しを図っていただきたい。
そこで加西市では、令和4年度に実証実験を行い、まずは以下のような、自治会長との連絡手段のデジタル化に取り組んできました。
令和5年度は、「①自治会長との連絡手段のデジタル化」に、「②隣保回覧・全戸配布のデジタル化」を加えた実証実験を行っており、最終的には「③自治会内連絡のデジタル化」にも順次取り組んでいく予定です。
広報・連絡のデジタル化における大きな課題
一方で、すべてをデジタル化していく上で、大きな課題となることが想定されるのは、アナログを前提として作られた冊子やチラシ等をデジタルでコンテンツ配信すると、アナログよりも著しく可読性が落ちるという点です。
その中でも特に大きな課題が、市の発行している「広報誌」です。広報誌は毎月加西市で作成し、市内の全戸に配布しています。今回、広報誌もデジタル化していきたいと考えていますが、前述の通り、単にデジタル化するだけでは、可読性が落ちてしまい、広報誌における市民サービスが低下することが懸念されます。
デジタル化で高齢者にも若者世代にも見やすく伝わる広報を実現したい!
そこで、デジタル化により、新しい付加価値のある広報誌が作れないかと考えています。現状、広報誌はAdobe社のInDesignを使って冊子化することを前提として作成しているため、紙の広報誌としては非常に見やすいのですが、PDF化しスマートフォンに配信した際は、文字が小さく、見やすいとは言えない状態になっています。
デジタルで配信した広報誌を市民に見ていただくには、「見やすい」「便利」と感じてもらえる新しい仕掛けが必要です。そこで、デジタル化によって、以下のような広報を実現できないかと考えています。
・高齢者がデジタル化で見やすく、便利になったと感じる広報
・アナログ情報に興味を示さない若年層が見たくなる広報
ここで「広報」という表現を使ったのは、デジタル媒体では、「広報誌」という形にこだわる必要はなく、必要な情報が必要な人に伝わることが重要だと考えているためです。今回の実証実験の中では、全ての市民を対象としながらも、特にこれらの年齢層の方の満足度が向上するような広報誌が実現できるか検証したいと考えています。
加西市は、国が進めるデジタル田園都市国家構想交付金に、TYPE1で計6事業、TYPE2で1事業採択されるなど、全国の中でもデジタル化に先進的に取り組んでいる自治体になります。本課題についても、今後多くの自治体が同じ課題に直面するのではないかと考えており、加西市で先進事例を作っていきたいと考えています。
ぜひ加西市と一緒に、市民サービスの向上につながる地域のDX課題にチャレンジしませんか?
OUTLINE
背景 | 加西市では令和4年度より、以下のように自治会連絡・市からの広報のデジタル化に取り組んでいる。 ①自治会長との連絡手段のデジタル化 ②隣保回覧・全戸配布のデジタル化 ③自治会内連絡のデジタル化 これらの取り組みにより、自治会長や役員の方の負担軽減が望めるとともに、市民の皆様の満足度の向上を図っている。 令和5年度は、「②隣保回覧・全戸配布のデジタル化」の実証実験を行っている。 |
課題(詳細) | 多くの連絡物、広報物が紙(アナログ)を前提として作られており、デジタル端末にコンテンツ配信した際に可読性が著しく下がることが懸念される。 中でも、全戸配布の広報誌のデジタル化において、課題が顕著となる可能性がある。 |
求める解決策 | デジタル化によって、以下のような広報を実現したい。 ・高齢者がデジタル化で見やすく、便利になったと感じる広報 ・アナログ情報に興味を示さない若年層が見たくなる広報 |
想定する実証実験内容(詳細) | デジタル化で市民の満足度が向上する広報が実現できるかを検証したい。 また、市職員の業務負担が過度に増加しないかどうかも検証したい。 |
実証実験成功後の発展性 | 加西市だけの課題ではないため、他自治体への横展開が可能。 |
提案企業に求める専門性 | 利用者である市民目線に立った企画ができる事業者を希望。新規アプリは利用者の初期設定負担が大きいため使用せず、ブラウザ等による情報閲覧が望ましい。 |
プロジェクトの進め方打合せ方法 | 打合せは、基本オンライン会議で可。 |
提供可能なデータ・環境等 | R5年度は、市内141の自治会のうち、31自治会(22%)が実証実験に参加。実際の住民にデジタル配信を行う仕組の準備があり、アンケート取得も可能。 |
プログラム終了後の本格導入 | 有用性が高ければ、実際の導入に向けて検討する。 |
加西市 紹介
加西市は、兵庫県南部に位置し、降水量が少なく温暖で暮らしやすいまちです。
気候の恵みを活かし、米やトマト、ブドウ、イチゴなどの農産物の生産が盛んです。旧三洋電機の企業城下町として培った高い技術力により、トースターで知られる「アラジン」など、優れたものづくりの企業が集結しています。農産物とものづくりのまちを活かし、昨年は全国で13位となる約63億円のふるさと納税を集めています。
また、古代から近代の歴史的な文化遺産が豊富で、根日女(ねひめ)伝承の「玉丘古墳」や日本遺産の「法華山一乗寺」、戦時中に若者たちが様々な思いを胸に飛び立った「鶉野飛行場跡」などが存在します。
冬から春にかけては、熱気球の適地として色とりどりの気球が空を舞い、レトロな風情を持つ北条鉄道の「キハ40」型車両は多くの観光客を魅了するなど、新たな資源の掘り起こしにも力を入れています。